HETEROCHROMIA
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◇.

スペア

不用意に腎兪

押されたら

腰椎から

大きな六角ネジが飛び出して

通りすがりのブスを

3人

引っ掛けた

 

彼女らは

地面に倒れ

バラバラに

 

整体師がやってきて

ブスを見て尋ねる

「新しいパーツに取り替えるか?」

僕は彼女らに聞こえぬよう小さく答える

「そんな中古はいらないよ」

彼は喜びながら必要なパーツを診療所へ持ち帰った

僕は残ったブスの顔を見てると

ごめんね と

やさしくキスをした

ブスは涙を浮かべ

今度は誰かの役に立てたかな

と 来世へ消えた

僕は

十分だよ

云いたかったが

それは

適わなかった

ネジが足りない

わき腹から

血が

滴り落ち

アイダカモ が

それを

啜る

身を削る

こと

献上ではない

身を削る

こと

黙るのが

献上である

ブスは

喋ればいい

その分

還元するんだ

僕は知ってる

それも愛だ