パンツ一枚でゴミを出すならば、咥え歯磨きで道行く女の目を見てやれば良い
家に帰り、きっと同じか、それより長く磨くであろう
三度目のロン毛でまた君に会える
願掛けは何でも構わない
女は一度だけこちらを見て消えた
消えるんだ
洗面台で口を流し、部屋着を着る
何て無防備で哀れな姿
清涼感の残る口にウィスキーを流し込む
いつもの繰り返し
またいつの間にか寝ていた
いつも時間に怯えている
幸福の早朝
願掛けは利いている
金縛りは夢をコントロールするチャンス
肉体よりも先に脳が目覚め、追いつけない肉体に起きたままの脳みそが戻る
好き勝手していい
そここそが本当の人生
体を酷使させREM睡眠をし、夢に生き、金縛りですき放題する
それなのに
一生のお願いを使っても抱けない女
死んでくれと言われてるようなもん
昔、抱いた女に
女の昔は消え僕は世にすら存在しない
奴隷の感覚
気持ちを分散すれば、拷問に耐えうる
在りし日に
愛してるよなんて雑な台詞
言葉に愛がない
それを言っていいのはどちらかの死を感じたときだけ
ずっと今だけど
自分のことなんで黙ってる
伝える相手がいない
人生に甘えたい
金がなければ自然度ドラマは生まれる
はず
だが
ダグホーナーを貰い価値も分からずに売る
まとまった金が手に入り、もう一度手にする
ブスになつかれ髪を切る
でも
そういうのじゃないんだ
冗談の分かる喫茶店だ
俺しか客がいないのにBGMを流してくれた
ミスターロンリー
コーヒーにはビスコンティが付いていた
忘れたことなんてない
トムウェイツがしゃがれ声で呟いた
牧歌的現代論を
近所の親父はいつもフットボールのユニフォームを着ている
90年代後半のイングランドの選手のものが多い
いつ買ったものか
想像はいつでも容易い
いまだに時折、町でNWOTシャツを目にする
何てことはない普遍の話
Tシャツの意味が分からぬほどに
同窓会で顔すら覚えてないどこかのまじめな親父が憤怒している
誰だ息子にコントを仕込んだのは
傍らで
10代で美食家だったあいつが持ち込みの魚肉ソーセージを食べている
貴族のファーストフード
あの娘はいない
変わりにそれらを見てブスと笑っている
可愛いよ
でも
ロマンは捨てられない
もう目覚ましがんる
10本ほど煙草を吸って外へ出よう
また夜を迎えるために