HETEROCHROMIA
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◇.

デトロイトモーターシティ

鍵を抜いたとき
その他大勢の涙の元、地盤が沈下して
夢見るもの全て
錠剤を幾つか握り締め、霧に隠れては

山でシチューを作る老婆に預ける
まるで子供じみたおつかいは

太陽に焦がれ、下半身を失う

 

モーター音が鳴り止まない街で生まれ

初めての雪を見た時、その一つ一つがウルサク、耳を切り裂いた

それで後世に名を馳せ様とも

一人の女を愛することもままならなく

ただ黙って

いつの日にも

小さな机でチーズとワインとパンを

一生変わらぬ正方形の窓の外では

赤い靴を履いた少年が日が暮れるまで病的に踊り続けている

いつか見た風景

そうして余命を感じるころ

韓国人が地酒をもって訪ねてくる

杯を合わすなり壁にグラスをぶつける

凄んでみても

何度も、何度も

壁は崩れ、床は底が抜ける

足元に転がっている幾つかのライターで火をつける

 

よれよれのシャツ一枚で大丈夫

車より早い馬が行きかう

皆そんなに違いねぇ

5分後にマンイーターが現れる

それは決まりごと

ソーダを飲もう

遊びで構わない

 

バンド全員ドラム出身

はしっこはみかんの匂いがする

四六時中、爪をいじってる

眠ってるときに爪を切ったら、もっと爪をいじるようになった

母ちゃんがイカレてたんだ

しょうがない 寿司屋に連れて行きシャリでも投げ合おう

店中、皆でシャリを投げよう

昔聞いた故郷の景色のようだ

大将は耳を切りおとした

何がうるさい

彼女は床に落ちた耳にキスをし、血を啜った

そうしてその耳を俺の耳にあてがった

凄くスローモーで美しい瞬間

誰かの心がそうさせた

皆そんなに違いねぇ