HETEROCHROMIA
this project is filed under
ブスとババァと乳酸と.

10年前に恋人と一緒にアイスを食べよう

 

まだ燻っている

火種があるだけまだいい

 

平行同時発生的無原則が起き

あなたとであう

ハーゲンダッツとコンドーム

その無邪気な両手で

あなたの名を呼んで

愛でた

バーボンに溺れ

あなたは泣いて

泣いて

泣かなくなった

 最低

 生まれたときから知ってるよ この街の皆

 

大人になり

キスなんて

いとも容易いから真面目にやると恥ずかしい

言い訳でないか

この年になり

ロン毛でママチャリに乗る働き人は

信用における

幸せな奴め

昨日はまた酔っ払って

帰り道

彼女とコンビニでアイスを買った

ハシャグ二人に

コンビニの女性店員は

シラケ顔

また別の日にも

酔っ払い

アイスを買う

店の前に座りアイスを食べる

扉が開き

女性店員が隣に座る

 

 酔っ払ったらアイス食べたくなんね

 そうねこないだも買ってたもんね

 元気?

 そう見える?いい年してコンビニのレジ打ちよ

 年も仕事も関係ないべ

 あなたにはそれがあるから言えんのよ

 だよね そう思う だから言う 関係ないよ

 そう

 アイスうまいだろ

 うん

 酔っ払ったらもっとうまいよ のみいこうぜ

 あと、一時間は終わんないよ

 待ってる

 

コンビニに客が入る

追って戻る彼女は

小さく微笑んだ

まってる

アイスは

もうない

突然!

客が

飛び出る

乱暴に

扉にブツかりながら

 何だよ 危ねぇよ おっさん

待ってる

彼女は戻らない

待てない

自動ドア開く

 立ち読みしてていい

乱雑に開かれたキャッシャー

床に落ちるコイン

レジカウンターを越えて

血を流し倒れこむ女

 

何が後悔であろう

バーボンも

ハーゲンダッツも

掃除して出てくる

コインも

ライターも

演歌に変わり

暇な読書家の

一節のように

浮かんで

前のめりに

倒れこむ

君は死ぬ

ここで死ぬ

酔って候

 

街であった男

花の名を知ってる男

コンビニの店員

何だろう

何であろう

最低

生まれた時から知っているよ