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◇.
不意に誰かが訪ねたら
テーブルの上には
飲みかけのコーヒーと
硬くなった
食べかけのバゲット
壁には
額縁に飾られた
女たちのシルクスクリーン
その顔は稀有で
誰にも見せない
恥じらいと絶頂の境にいて
彼女たちは四方から
男の在り処を囲んでいる
女が想像するに容易いならば
それは飲みかけのコーヒーとおんなし
普通でありたい
変わっているなんて
何の
有り難みもない
所詮
シケモク吸う男だ
それは知られて構わない
だが
それを知らない
女は
何に興味を示しだか
部屋に上がりこんだ
自堕落な姿は
勘弁しておくれ
部屋だから
大人だって
炭酸ジュースを飲むんだ
洒落た目で絵を見るな
好奇心が邪魔だ
誰の女でもない
俗世に溢れる可愛い可愛そうな女たちだ
秘め事を 隠れてみない
さすれば
君のように彼女たちを見つめるよ
彼女らは
世界に溢れている
その一瞬を切り取った
挿入される
その瞬間は
一瞬だけ
すべてを忘れ
集中す
その刹那
悲しみと快楽と
折りなって
君は
ヒロインと化す
魅了には
幾らでも
後付の
答えがある
僕は普通かって
ピンナップガールに囲まれて
女と交わる
意味を見出せず
愛することも出来ない
それは正気ゆえ
事が終わると
壁の女が
自己嫌悪を慰める