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戯言.
深夜の帰り道、今夜も足が棒。何の音も聞こえない。
溜息交じりの呼吸音と擦り切れる靴底。否、アスファルトのほうか・・・・。
そうして地球は削られ疲弊していく。
ふと、赤ん坊の声がした。こんなタコ部屋じみた住宅地、そんなわけがない。きっと猫である。そういやまだら模様の猫を今朝見たっけ。
朝の怠惰はとりとめもないことを残す余力はない。それは夜だって同じことで、猫も赤ん坊も自分には大差ない。
目に映ることあれど、存在にすぎず。
お宅の猫が夜ウルサイの。お宅のお子さん夜鳴きがヒドイね。僕はといえば、比較的静かだよ。
「にやぁーーん」とひとつ声をあげる。
競馬好きは大声を出すから嫌いだ。ボリュームがイカレテる。喧騒にまぎれるなんてカタカナすら思い出せない。