HETEROCHROMIA
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戯言.

汚れなき者たちへ

何だろう・・・?
無い物ねだりとは逆の発想である。
一度手にしたものから存在感が消えることなど他者が存在する限りはない。
だが、
一度触れた者に対する
この少なからずの嫌悪感は何だ。
この隣で寝ている女も、昨日まではまだマシに見えた。
この抜栓したワインも、昨日までは旨く感じていた。
同化とはまた違う。
一度、私が触れれば汚れる。
そうして世界は腐敗する。
誤魔化すわけではあるまいが、
そうして、
また新しい女と酒を手に入れる。
世界には私が何人もいる。
その声の矛盾には私すらも未だ気づいていない。