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◇.
生年月日の整合性
学年では2つ違いだった。
2つ、
君がお姉さん
君は
僕を
『さん』付けで
呼んだ
サラミの薄皮の意味を知ってるかい?
僕らは均一である必要があった
あまりにも
違い
すぎたから
たまたまの話
本当に
たまたまの
彼女は
3月の3週の生まれだった
14日には
いつも
彼女が
何かをくれた
それが
いづれか
風習になろうとも
そのときは僕らの
あたりまえであった
と
同じような話
僕は1月の1日生まれだ
兄弟はいない
一人っ子だ
そういうことにした
彼女はもう
知っているが
そういうことだ
ただ
面倒だった
だけ
12月には
僕は9つで
彼女が10
1月には同い年になった
そして
3月にお姉ちゃんになる
彼女は年々
早生まれを喜び
生まれは
第4週になった
そこから月を跨いではいけない
決して
また3月だった
桜の話で思い出す
彼女を思い出す
誕生日はもう忘れた
そりゃそうだ
昨年
抱いた娘の名前すら出てこない
彼女は幾つになっただろう
僕は
また嘔吐する
いつもこれだ
彼女はとっくに更けてるのに
僕はというと
いまだに
こんなことを考えている
年下の人が増えたとて
彼女が大人になったとて
横になり
灰をかぶり
起き上がれず
ただ
諦めず
呼吸をしては一秒が過ぎる
幾つもの魂で
ソファーから離れられず
歳をとる
彼女もたまにはそうだ
幾つかの自分と
名を忘れた人を思い出し
溜息を零す
会わなければ
ずっと
思い出す
明日ばかりある
昨日も
明日も
先しかねぇよ